カンペール(CAMPER)から、2025年夏の新作としてユニセックスサンダルやウィメンズサンダルが登場。

カンペールの25年夏新作サンダルコレクション
ペロータス フロータ アップ サンダル 26,400円
ペロータス フロータ アップ サンダル 26,400円
スペイン発のシューズブランド・カンペールから、2025年夏に向けたサンダルコレクションが登場。定番モデルの機能性を受け継いだユニセックスサンダルや、ユニークなソールのウィメンズサンダルなど、夏のアクティブなシーンに最適なシューズを展開する。

耐久性に優れた「ドリフト トレイル サンダル」
ドリフト トレイル サンダル 28,600円
ドリフト トレイル サンダル 28,600円
2025年夏の新作としてラインナップする「ドリフト トレイル サンダル」は、独特なデザイン性と最新技術を融合したモデル「ドリフト トレイル」シリーズの新作。オリジナルモデルのDNAを受け継ぎ、アクティブなライフスタイルに対応できる高い耐久性と柔軟性を兼ね備えたスポーツサンダルに仕上げた。

ドリフト トレイル サンダル 25,300円
ドリフト トレイル サンダル 25,300円
ソールには、カンペールを象徴するブリッジ型スタッズ付きのヴィブラム(Vibram)ラバーアウトソールを採用。優れたグリップ力が、歩行をサポートする。また、高い通気性と衝撃吸収性を備えたオーソライト(OrthoLite)クッションを搭載したフットベッドにより、夏でも快適な履き心地を叶える。

丸みを帯びた厚底ウィメンズサンダル「ペロータス フロータ アップ」
ペロータス フロータ アップ サンダル 26,400円
ペロータス フロータ アップ サンダル 26,400円
一方、新たにウィメンズラインに加わる「ペロータス フロータ アップ」は、ボール型のアウトソールが特徴の「ペロータス」シリーズのコンセプトを引き継いだモデルだ。同シリーズの「ペロータス フロータ」よりも、ソールを一段高くしたボリュームソールがポイント。空気を入れて膨らませるオブジェから着想を得た、丸みのあるユニークなフォルムが印象的だ。

ペロータス フロータ ツインズ サンダル 26,400円
ペロータス フロータ ツインズ サンダル 26,400円
また、バリエーション豊かなアッパーデザインも魅力の1つだ。ミニマルでスポーティーなTストラップや、個性的な印象のマルチストラップなどを用意。カラーリングも、鮮やかな配色からシックなモノトーンまで多彩に展開する。

ペロータス フロータ アップ クロスストラップ 25,300円
ペロータス フロータ アップ クロスストラップ 25,300円
素材には、超軽量のXL エクストラライト(XL Extralight)EVAアウトソールに、クッション性の高いEVAフットベッドを組み合わせ、安定感ある履き心地を実現している。イージーフィットデザインで、調節しやすく着脱が簡単なのも嬉しいポイント。

“コブラのしなやかさ”着想サンダルやスライドサンダル
コバラ サンダル 25,300円
コバラ サンダル 25,300円
その他のモデルにも新作サンダルが登場する。コブラの官能性やしなやかさから着想を得た「コバラ(KOBARAH)」シリーズには、ボリューム感のある個性的なサンダルが仲間入り。メンズ・ウィメンズ両方で展開される。また、人間工学に基づくデザインを採用した「ブルートゥス(BRUTUS)」シリーズからは、日常使いに便利なスライドサンダルもラインナップする。

【詳細】
カンペール2025年夏コレクション
発売時期:2025年5月中旬~順次
展開店舗:全国のカンペール店舗、オンラインストア
※取扱商品は店舗によって異なる
<展開アイテム>
・ドリフト トレイル サンダル 28,600~25,300円
サイズ:メンズ 39~44、ウィメンズ35~40
※カラーによりサイズ展開は異なる
・ペロータス フロータ アップ
Tストラップ 26,400円、マルチストラップ 27,500円
サイズ:35~39
2ストラップ 25,300円、クロスストラップ 25,300円
サイズ:35~40
・ブルートゥスサンダル 24,200円
サイズ:メンズ 39~44、ウィメンズ 35~40
・コバラ 25,300~30,800円
サイズ:メンズ 39~43、ウィメンズ 36~40
※カラーによりサイズ展開・価格が異なる

ウェルネスブランド・マエエ(MAEÉ)から、着圧ソックス「コンプレッションソックス シアー」が登場。

シアー素材の“魅せる”着圧ソックス
「コンプレッションソックス シアー」2,420円
「コンプレッションソックス シアー」2,420円
マエエは、一歩踏み出すたびに、もっと輝く毎日へをコンセプトに、治療用品からスタートし、“からだを整える”アイテムを展開したウエルネスブランド。日常のコーディネートに取り入れやすいデザイン性と、快適な履き心地を追求した着圧ソックスなどを中心に、毎日を心地よく過ごすためのアイテムを提案している。

「コンプレッションソックス シアー」2,420円
「コンプレッションソックス シアー」2,420円
今回登場する「コンプレッションソックス シアー」は、ツヤのある透け感が特徴の“魅せる”着圧ソックス。薄いベールのようなシアー素材は、脚を美しく見せるだけでなく、コーディネートにほどよい抜け感を演出してくれる。柔らかく滑らかな質感で、履き心地の良さもポイントだ。

「コンプレッションソックス シアー」2,420円
「コンプレッションソックス シアー」2,420円
機能面では、足首からふくらはぎにかけて圧力を変化させる一般医療機器設計「段階着圧」を採用(一般医療機器届出済)。おしゃれを楽しみながら、効果的に足のむくみを軽減・予防できる。さらに、足裏部分には吸水速乾性のある糸を使用し、つま先の裏側はメッシュ編みにすることで、ムレを防いで快適に着用できるソックスに仕上げた。

「コンプレッションソックス シアー」2,420円
「コンプレッションソックス シアー」2,420円
カラーはチャコール、ホワイト、バーガンディ、ブラックの全4色。ローファーやスニーカーなど、さまざまなシューズやスタイルに合わせやすいカラーを揃えた。

【詳細】
マエエ「コンプレッションソックス シアー」2,420円
発売日:2025年6月13日(金)
取扱店舗:ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング、マエエ公式オンラインストア、ユナイテッドアローズ公式オンラインストア
※全国のセレクトショップなどマエエ販売店でも順次展開予定。
カラー:チャコール、ホワイト、バーガンディ、ブラック
サイズ:M(23cm~25㎝)

Q-pot.(キューポット)から、新作アクセサリー「トウシューズコレクション(Collection)」が登場。

「白鳥&黒鳥」イメージのトウシューズアクセサリー
バレリーナ トウシューズ(白鳥) ネックレス 17,600円
バレリーナ トウシューズ(白鳥) ネックレス 17,600円
「トウシューズコレクション」のアクセサリーは、その名の通り、バレリーナを象徴する憧れの“トウシューズ”が主役。バレリーナが躍る姿を彷彿とさせるふわりと弧を描くサテンリボンと、艶めくパールを組み合わせたネックレス、ピアス/イヤリングなどが揃う。

“湖に浮かぶ白鳥”着想シルバートウシューズ×ブルーリボン
バレリーナ トウシューズ(白鳥) ピアス,イヤリング(ペア) 各15,400円
バレリーナ トウシューズ(白鳥) ピアス,イヤリング(ペア) 各15,400円
バリエーションは、《白鳥の湖》の世界観に着想を得た儚く純真な“白鳥”と、漆黒の“黒鳥”をモチーフにした2種類。まずは、“白鳥”アクセサリーに注目。ペールブルーのサテンリボンとシルバー仕立てのトウシューズで、湖に浮かぶ優雅な白鳥をイメージした。

漆黒の“ブラックスワン”風パール×トウシューズ
バレリーナ トウシューズネックレス(黒鳥)ネックレス 17,600円
バレリーナ トウシューズネックレス(黒鳥)ネックレス 17,600円
一方、漆黒のブラックスワンは、深みのあるブラックのトウシューズと、ブラックパール、しなやかなサテンリボンで気品あふれるビジュアルに。控えめながらも、首元や耳元で存在感を発揮してくれる。

ホイップクリームのスワン型ネックレスも
ブラックスワン クリームケーキ ネックレス 13,750円
ブラックスワン クリームケーキ ネックレス 13,750円
また、淡いブルーもしくはブラックのホイップクリームでスワンの形を模した“クリームケーキ”風ネックレスもラインナップ。ふわっとしたサテンリボンや、煌めくティアラがアクセントだ。

【詳細】
Q-pot.「トウシューズコレクション」
発売日:2025年6月21日(土)
取扱店舗:Q-pot.表参道本店、髙島屋新宿店、東京スカイツリータウン・ソラマチ店、イクスピアリ店、ルクアイーレ店(大阪)、オンラインショップ
価格:
・バレリーナ トウシューズ(白鳥) ピアス,イヤリング(ペア) 各15,400円
・バレリーナ トウシューズ(白鳥) ネックレス 17,600円
・ブルースワン クリームケーキ ネックレス 13,750円
・バレリーナ トウシューズネックレス(黒鳥) ピアス,イヤリング(ペア) 各15,400円
・バレリーナ トウシューズネックレス(黒鳥)ネックレス 17,600円
・ブラックスワン クリームケーキ ネックレス 13,750円
※発売初日は1人1点までの購入。
※発売初日の商品の取り置き・スーパーコピー代引き発送
※発売日や商品の仕様、発売店舗は変更になる場合あり。

【問い合わせ先】
Q-pot.表参道本店
TEL:03-6447-1217

ダンヒル(dunhill)は、2026年春夏メンズコレクションを2025年6月22日(日)に発表した。

英国のロックアイコンの着こなしをヒントに
ダンヒル 2026年春夏メンズコレクション – クラシックで反抗的、英国の二面性にフォーカス|写真4
サイモン・ホロウェイ率いるダンヒルは、クラシックなコードと反骨精神といった、英国独自の二面性に着目。出発点となるのは、英国貴族のフォーマルなドレスコードをエフォートレスに再解釈して自身のスタイルに落とし込んだ、ブライアン・フェリーやチャーリー・ワッツといった英国のロックアイコンたち。優雅でありながら反抗的である、という一見相容れない緊張関係を紐解き、エフォートレスな紳士の装いを提示する。

ゆとりや遊びを加えた、軽快な着こなし
ダンヒル 2026年春夏メンズコレクション – クラシックで反抗的、英国の二面性にフォーカス|写真1
モーターアクセサリーをルーツとするダンヒルのシグネチャー「モートリティーズ」から派生したアイテムをはじめ、従来かっちりと着るものとされるテーラードウェアやセットアップなどは、軽快な着方が提案されている。たとえば、セットアップの上からバサッとモータリングトレンチコートを羽織り、手にはレザートリムのキャンバスバッグを持ったルックや、グレンチェックのドライビングブレザーの袖口をロールアップし、中に着たシャツのウィンドウペンチェック柄を見せる着こなしなどが披露された。

ダンヒル 2026年春夏メンズコレクション – クラシックで反抗的、英国の二面性にフォーカス|写真27
こうしたゆとりや遊びを加えた着方の一方で、気高さは依然として存在しており、端正な佇まいを見せているのが印象的だ。ラムスキンのレザーブルゾンやスエードのカーコートも同様に、ラフに羽織ったようなスタイリングを採用しつつ、凛とした装いに。アイコニックなブリティッシュブルドッグモチーフのニットカーディガンで遊びを加えたルックも目を引いた。

ダンヒル 2026年春夏メンズコレクション – クラシックで反抗的、英国の二面性にフォーカス|写真45
ロイヤルブルーやネイビーなどのクラシカルなラウンジスーツには、シャーベットカラーのポケットチーフや、パステルカラーのストライプシャツ、ベストを組み合わせて、意外性のあるコントラストを描き出す。キャップやリボン付きのドレスシューズといった小物も、プレイフルな要素をもたらしている。

明るい色彩
ダンヒル 2026年春夏メンズコレクション – クラシックで反抗的、英国の二面性にフォーカス|写真23
マルチカラーのストライプを配したシアサッカーのセットアップや、ヴィヴィッドなイエローのショートパンツに組み合わせたマドラスチェックのジャケットなど、明るく多彩な色使いにも注目したい。チェック柄ブレザーには鮮やかなイエローやレッド、ブルーのニットやボトムスを組み合わせて、アクティブなアクセントをプラスした。

ダンヒル 2026年春夏メンズコレクション – クラシックで反抗的、英国の二面性にフォーカス|写真39
また、森林を思わせるグリーンのセットアップや、爽やかなライトブルーのスーツ、淡いラベンダーカラーのブルゾンなども登場している。セージグリーンのジャケットにメイドインジャパンのデニムパンツを合わせたカジュアルなコーディネートには草花柄のシャツを合わせ、英国の田園風景を連想させるスタイリングを提示している。

最初にH.モーザーが新たな“ポップ コレクション(POP! Collection)”を発表!

少なくとも自分のなかでは、この名称からカラフルなプラスチック製の腕時計や、コミックブック風のアートが思い浮かんだからだ。H.モーザーはこれまでにも、チーズ製ケースや“デジタル”ダイヤルなど、時計界の常識を覆すような奇抜な試みに挑んできたブランドだけに、今回もかなり風変わりなものを予想していた。プラスチック製のムーンスウォッチ風モーザーが登場するのか? それともメイラン(Meylan)家の誰かが手描きしたキャンバス地のダイヤルが付くのか? そんな妄想をしていたなかで、ポップ コレクションの実物を見たときには、安心感と軽い落胆の入り混じった気持ちになった。というのも、それは思いのほか“普通”の新作だったからだ。少なくともモーザーの基準からすれば、である。

Jade dial and opal tourbillon soldier
ビルマ産ジェード(翡翠)とピンクオパール。

 なんと18本(そう、18本)もの新作リファレンスが一挙に登場した今回のポップ コレクションで、H.モーザーはおなじみのエンデバー・コンセプトとその各種バリエーション(スモールセコンド、トゥールビヨン、ミニッツリピーター トゥールビヨン)にすべてストーンダイヤルを採用してきた。使用された石は実に多彩で、ビルマ産ジェード(翡翠)、ターコイズ、コーラル(珊瑚)、ピンクオパール、ラピスラズリ、レモンクリソプレーズがラインナップされている。記憶にある限り、モーザーが最後にストーンダイヤルを用いたのは、ワイオミング産ジェードのダイヤルを備えたストリームライナー・トゥールビヨンだったはずだ。今回のポップ コレクションでは、ワイオミング産とビルマ産という2種類の翡翠の違いがはっきりと示されている。前者がより濃く深みのあるグリーンなのに対し、後者は淡くパステル調のグリーンとなっている。

 ダイヤルの話に入る前に、まずはケースについて触れておこう。スモールセコンド仕様のエンデバーはステンレススティール製で、直径38mm、厚さ10.4mm。トゥールビヨン仕様も同じくSS製だが、こちらはより大きめの40mmケースを採用しつつも装着感は良好で、厚さは11.2mmに抑えられている。そして最後に、ミニッツリピーター トゥールビヨンは5Nレッドゴールド製で、ケース径は40mm、厚さは13.5mmとなっている。いずれのモデルもサファイアクリスタル風防とシースルーバックを備え、搭載されたキャリバーを存分に眺めることができる。とはいえこれらの仕様は過去に何度も見てきたエンデバーと大きく変わるものではない。やはり今回のポップ コレクションの醍醐味は、なんといってもストーンダイヤルにあるのだ。

minute repeater in turquoise
ターコイズダイヤルの下にのぞくコーラルカラーのプレートが、このミニッツリピーター トゥールビヨンを彩っている。

Minute repeater side case
Minute repeater caliber
 18種ものSKUと聞くと圧倒されそうだが、実際には見た目ほど複雑ではない。ポップ コレクションに使われている6種類のストーンは、それぞれペアで組み合わされている(ビルマ産ジェードとピンクオパール、ラピスラズリとレモンクリソプレーズ、そしてターコイズとコーラル)この3組のペアごとに6つの異なるモデルが展開されているのだ。ビルマ産ジェードとピンクオパールについてはエンデバー・スモールセコンドの2モデルを用意し、それぞれジェードとオパールがメインダイヤルに採用されている。そして各モデルのスモールセコンドインダイヤルには、それとは逆の石が使われている。一方でトゥールビヨンの2モデルについては、ケージのカットアウトによりインダイヤル用のスペースが確保できないため、対になる石はリング状に配され、メインダイヤルに干渉する形で取り入れられている。このビジュアルの演出は、通常のエンデバー・コンセプトで見慣れたものとはやや異なり、カラーブロッキングを取り入れたポップアートへのオマージュとしての存在感をしっかりと感じさせる。ミニッツリピーターでは、立体的に配置されたメインダイヤルにストーンが使われる一方で、ゴングの背後に見える下層のダイヤル部分は、全体のカラースキームに合わせたカラーリングが施されているのみとなっている。この下層パーツには曲線的なカットアウトが必要とされるため、構造的にストーンを用いるには繊細すぎて現実的ではないと思われる。

 それぞれのストーンの組み合わせは、時計にまったく異なる美学と視覚的な重みをもたらしている。ビルマ産ジェードとピンクオパールの組み合わせ(個人的には子どものころによく食べたスイカ味のトリックス・ヨーグルトを思い出してしまう、というのは愛情を込めた表現だが)は、このポップ コレクションのなかでも最もやわらかなカラーパレットを体現している。ストーンダイヤルにしては内包物は控えめで、それゆえにすべてのピースが一点物としての個性を放つ。なお、レモンクリソプレーズについては今回初めてその名を耳にしたが、その淡さはラピスラズリが持つ深く豊かな美しさとの対比により、非常に効果的なコントラストを生み出している。この組み合わせはスモールセコンドのダイヤルで特に映え、小さな円形の差し色が絶妙なアクセントとなっている。一方で、この組み合わせにおいてはトゥールビヨンのダイヤルが最も魅力に欠けるように感じられた。真ん中のリングが反対の石をやや過剰に遮ってしまっており、全体のバランスを乱している印象があるからだ。そして最後に触れておきたいのが、ターコイズと深みのあるオレンジコーラルの組み合わせだ。このペアは、3つのうちで最も鮮烈かつ強い印象を放つ組み合わせだと思う。これは両者の彩度の高さに加え、寒色と暖色を意図的にぶつけ合ったようなコントラストが生むものだ。皮肉なことに、この色のぶつかり合いこそが5Nレッドゴールド製ケースを採用したミニッツリピーター トゥールビヨンというモデルに、最もふさわしい雰囲気を与えている。

Lemon Lapis Dial Closeup
レモンクリソプレーズに、ラピスラズリのさりげないアクセントが添えられている。

lemon lapis tourbillon
Image Courtesy: H. Moser & Cie.

Turqouise Tourbillon Macro
 今回のリリースは何よりもダイヤルが主役であるため、新たなキャリバーは導入されていない。スモールセコンドモデルには、自動巻きCal.HMC 202が搭載されており、パワーリザーブは約3日間、振動数は2万1600振動/時となっている。トゥールビヨンモデルには自動巻きCal.HMC 805が搭載され、こちらはワンミニッツフライングトゥールビヨンを備えつつ同じく約3日間のパワーリザーブと2万1600振動/時のスペックを持つ。モーザーのフライングトゥールビヨン ミニッツリピーターキャリバーについては、これまであまり語られてこなかったが今回改めて注目すべきは、その構造とケース内で縦方向に積層された複雑機構の配置だろう。これはオープンワークのダイナミズムと、エンデバー・コンセプトの持つミニマリズムとの絶妙なバランスを実現しているユニークな設計と言える。このCal.HMC 904は手巻きで、約90時間という長めのパワーリザーブを備えている。

 ご想像のとおり、ここで紹介された18モデルはいずれも限定生産となる。これは主に今回の時計に使用されたストーンの歩留まりによるものだ。SS製のスモールセコンドモデルは、それぞれ28本の限定生産(つまり、各ストーンペアにつき56本)で、価格は567万6000円。ただし、ターコイズ×コーラルのモデルのみ726万円に設定されている。トゥールビヨンモデルはそれぞれ5本の限定生産で大半は1394万8000円、こちらもターコイズ×コーラルのモデルだけは1469万6000円となっている。そして5Nレッドゴールド製のミニッツリピーターモデルは、6種すべてがユニークピース(一点物)として製作され、価格はすべて5688万1000円(すべて税込予価)という堂々たる設定だ。

Wristshot of jade dial
 正直に言うと、これらの時計を実際に(金属とストーンで)目にしたとき、終始笑みがこぼれていた。モーザーは超高額な複雑機構の時計であっても、どこか肩肘張らずに楽しめるような雰囲気をつくることに、常に成功し続けている。そして今回のモデル群もその系譜をしっかりと受け継いでいる。公式ウェブサイトを見れば一目瞭然だ。モーザー・アート美術館のギャラリーなど、そのユーモアの効いたトーンはまさに“おちゃめ”の極みである。その一方で、こうしたふざけた演出(マーケティングキャンペーンをイタいと批判する声高な論者もいたが、私はそうは思わない)に対し、25万ドル(日本円で約3560万円)以上をミニッツリピーターに費やそうという潜在的な顧客の一部が引いてしまう可能性もあるだろう。だが、モーザーが真に得意とするのは、まさにこのスタイルを突き詰め、そしてそれを心から楽しむ顧客を的確に見つけ出すことにある。今回もその強みがいかんなく発揮されている。